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VOICE magabon interview

No.260 サンボマスター(ロックバンド)

サンボマスター

――どのような思いで『ロックンロール イズ ノットデット』というタイトルをつけたのでしょうか。
山口「このロックンロールという言葉は、自分の命や身体性を表現するものに一番近いんですよね。つまり自分にとって最もプリミティブなもの。たとえば見栄えのいい格好や社会性を身につけたりすれば他者との距離も多少は縮まるんですけど、その装飾がない状態で人とつながるのはやはり怖いことで。そういう時に『ロックンロール』と口にすると、お互いがプリミティブな状態で繋がれる気がするんです。僕はそれを幻想だとは思えなくて」

――震災以前の山口さんは地元福島にどんな思いを抱いていたのでしょうか。
山口「それはもうえらいもんでしたよ(笑)。逃げ出したくてしょうがなかった。都会への憧れがものすごく強かったし、アメリカ西海岸にも夢を見ていた。今になって思えばそれは僕自身に多分な問題があったんだけど、その時は『なんでみんなわかってくれないんだ!』と思ってて。僕ほど業を背負ってきたやつもいないと思います」
木内「その割にしょっちゅう実家に帰るんですよ(笑)」
山口「(笑)。このバンドを始めてから、不思議なもので自分にとってのよりどころが故郷の雪景色や林檎畑になっていったんですよね。その寂しさや当時の衝動がバンドの音として表れてきて。だから、過去の僕はきっと故郷ではなくて自分が嫌いだったんですよね。そんな自分から抜け出したかったんだと思う。それが『I love you & I need you ふくしま』になって。そのあとに震災が起き、みんなで泣きながら録っていましたね」

――当初、あの曲に込めた感情もこの1年間で変化していったのではないかと思うのですが。
山口「あの曲でだれかを勇気づけようっていう気持ちはまったくなかったんです。ただ僕が考えていたことは、あれを歌うことで得られる収益全てを苦しんでいる人たちに渡せるシステムを作ろうということだけで。だけど、あの曲を歌うと福島に限らずどんな場所でも空気が一変して。そうなるともう、泣けて歌えないんですよ」

――最後に、もしも雑誌の編集長になったら、どんな雑誌を作りたいですか?
山口「まず、市川崑の『股旅』特集。あとはショーケン(萩原健一)を取り上げる。次は文化面で北沢夏音と湯浅学を呼んでロックについてしゃべり倒してもらって。あとは下北でレコード談義」
木内「売れなさそう(笑)。僕は漫画雑誌ですね。好きな漫画を誰よりも先に読めるって最高じゃないですか」
近藤「俺は90年代前半のプロ野球を取り上げたい。その当時はJリーグが開幕した頃で、選手のファッションがすごく変なんですよ。その頃のプロスポーツはだいたい好きで」
山口「みんな言ってることがバラバラだな(笑)」

Text : Yuya Watanabe
Photo : Megumi Nakaoka

「ロックンロール イズ ノットデット」

ロックンロール イズ ノットデット
2012年7月11日(水)発売
初回限定盤CD+DVD 3,500円(税込)
通常盤CD 3,000円(税込)



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